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2018年10月23日火曜日

イタリア旅報告:ナポリのルッカに一人で感動

私はずっとトスカーナ州の街ルッカの司教座聖堂に祀られる磔刑像に取り憑かれて来ました。ですが今回の旅は、プーリア、モリーゼ、ナポリという南部だけの旅でトスカーナにはかすりもしませんから、ルッカと磔刑像ヴォルト・サントについての発見があるとは思っていませんでした。プーリア州のビトントの司教座聖堂のヴォルト・サントはとっくに知っていたので再会を楽しみにしていました。

Porta di Volto Santo di Lucca, Bitonto

それともう一つ、聖堂としての機能はすでに失われていますが、ナポリの旧市街ど真ん中にルッカの十字架と言う名の聖堂があるので、調べたいと思っていました。

Chiesa della Croce di Lucca,Napoli

勝手に一人で盛り上がって感動しました。まごうことなきヴォルト・サントです。修道女たちに囲まれた磔刑像は、とても柔和な印象でオリジナルとは全く似ていませんが、しっかり修復されているのが私には大きな喜びでした。

左手にちらっと見えているのが元聖堂

ナポリのカオスの中、このフレスコに気付く人はまず居ないでしょう。この辺は広場と道路が整理されていない不思議な空間になっていて、ルッカの十字架聖堂は落ち着かない空間の真ん中に建っています。


引いて撮影するのが難しい状況で逆光でもあり良い写真ではないですが、小さいながらも厳粛なルネサンス建築で、派手なバロック建築の嵐のナポリにあってトスカーナの雰囲気を伝えています。聖堂は完全に修復中で閉まっています。次回は事前に約束を取り付けて入れてもらおうと思います。

このフレスコの状態の良さに気分が上がっているところへ、さらに思っても見ない発見がありました。ナポリにはスフォリアテッラとババという二つの伝統菓子があって、現在もうんざりするほど至る所で売っています。


これはナポリの心臓、上品な人は通るのが大変な地区にあるスフォリアテッラ屋さんで撮影しました。スフォリアテッラとは、紙が幾重にも重なったっていうような意味で、フランス語のミルフィーユもほぼ同じ意味。要するに薄ーくした生地を何枚も重ねて上手に焼くのがお菓子職人さんたちの腕の見せ所だったのかもね。ユダヤ起源だとかアマルフィの修道院だとか色々言われますがとにかく有名です。正直言って何箇所かで食べたけど、ずっしりしたパイ生地が私の好みではありません。でも本場の専門店で一回買ってみようというので行ってみたら、なんとその中にルッカのスフォリアテッラがありました!びっくりです。だってミラノのとかパレルモのとかローマのとか、あちこちのものがあるなら分かるけど、あったのはルッカのだけ!あとは皆ナポリのスフォリアテッラでした。ナポリのものより中身が凝っていて、歴史的にナポリに根付いたルッカ人の痕跡を実感。

こんなことで喜んでるのは私一人ですが、雇われ貧乏講師なんて好きでなければやってられない証拠です💘




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