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2018年10月11日木曜日

イタリア旅報告:ホテルってなんだろう??

ホテルがあまり好きでないのは、何よりも面白くないから。私は生まれながらの旅人で冒険心にあふれているから(逆に言えば、計画性が無く不用心)分かり切ったことが好きじゃないの。三ツ星や四ツ星のホテルってどこでも似たり寄ったりでしょ?殺風景な部屋には最低限の家具。しかもスイートでもない限り一部屋。値段は家具の良し悪しに反映されるくらい。B&Bは当たり外れはあるけど、その場その場で違いが大きく、大抵二部屋以上ある。

Palace Hotel San Michele, Monte Sant'Angelo

でもね、長旅だからホテルも必ずいれるようにしてる。B&Bみたいにいちいち連絡取り合わなくて済むからその点ストレス無し。どういうことかっていうと、B&Bは大家と連絡取り合わないと、部屋に入れない。何時にどこで待ち合わせるか何度もやり取りする。「着いたら教えて」みたいな人は助かるけれど、普通は一日前に場所を連絡する。今回もナポリのGuestArtのオーナーは三日以上前にいつ着くか教えろと煩くて「多分〜時くらい」というのを3回変更したら、散々嫌味タラタラ。そんなに言うなら予約する前に分かるように書いておけ、と言いたくなる。旅の途中なんだからどうなるか分からないでしょ!予定の決まり切ったツアーじゃないんだから!そこが良いとこなのに。その点ホテルは一年中何時に着いても問題無し。タオルも毎日変えてくれる(普通はそう)。

Palace Hotel San Michele, Monte Sant'Angelo

最初のホテルは、今回最高級のゴージャスなホテル。プールにサウナにスパに絶景のバルコニー付き。プールは前日で閉まっちゃったのが残念無念。モンテサンタンジェロは、前半の旅中圧倒的な観光地。最も聖なる土地が最も俗だって事が皮肉だけど、聖ピウス(パードレ・ピオ)と大天使ミカエルのお土産屋さんでごった返す。聖地の外れに建つ、ヨーロッパのお金持ちが温泉休暇に来るような設定。アガサ・クリスティに出てきそうな中産階級の白人目当てでできたのかもしれない。私たちが着いた頃は、プールが閉まったことでも明確なように夏のバカンスが去り一段落した時で、宿泊客も満員ではなく丁度良かった。写真はスパ。ジャグジー、水とお湯の歩き湯、変わりシャワーボックスとサウナは個室が数個、地下へは怪しい紫の光を通過して行くと共同サウナ室。勿論バーもある。外へ出るとプールへ続くひっろーーーいお庭があってお散歩できる。1時間くらいゆっくりしたけど、ほんと気持ちよくて疲れも取れて優雅な気持ちになれる。水着さえ持って行けばあとは貸してくれる。

Palace Hotel San Michele, Monte Sant'Angelo

バルコニーからは満天の星がみえた。今一だったのはレストラン。地下のレストランは、他所が美味しいものだらけだったので、冴えなかったけど宿泊客で一杯でした。ま、ホテル嫌いの私もこの位特徴あれば嬉しい。

Palace Hotel San Michele, Monte Sant'Angelo

次はナポリから30分のサレルノのホテル。私が新しい雑誌もらって威張ってるのが、そのホテルのサロン。雑誌ったって下らない芸能雑誌じゃないよ。社会、歴史を話題にした日本にはないタイプの雑誌。イタリアにはよくあるしセンスも良い。ここがとても良かったのはとにかく駅前で移動に便利。サレルノの駅は旧市街から離れていない上、店舗が並ぶ中央通りも駅から出てるので、本当に便利。典型的な三ッ星ホテルで、面白いことは何もないけど、足りないものも何も無い。若いスタッフはみんな感じが良くて、朝食も明るい部屋で三ッ星にしては豪華だった。

Hotel Plaza, Salerno
                         
みんなと泊まったのはこの二つだけ。私の旅は少人数だから大型ホテルの同じ部屋を何室も取らないで済む。学生時代みたいに、みんなであーだこーだ言いながら泊まるのが楽しいの。

Hotel Amadeus, Caserta

実はYさんだけみんなの後に発った。もし彼女がもう一日でも長くいられたら、イスキアとかナポリの近くの島のホテルで寛ぎたかったけど時間が無かったので、彼女が発つのと同時に私もナポリを離れて、ベネヴェントと悩んだけどカゼルタへ行った。

                             
Hotel Amadeus, Caserta

ナポリから30〜40分のカゼルタにはヴェルサイユを凌ぐ気合いで建設された王宮があるけれど、その他に中世の古カゼルタや、足を伸ばせばベネヴェントがあるので連泊してあちこち見る予定だったので、移動に便利に駅近の評価の高いホテルを選んだ。もっと経済的なホテルが駅付近にあったけど、ナポリの駅周辺の汚さがあまりに強烈で(何度か行ってるけど、だいぶ改善してるんじゃないかと期待してたらまだまだだった。やはりナポリは異次元!)格安駅近は避けました。結果からするとその方が良かったかもしれない。

Hotel Amadeus, Caserta

ナポリから30分離れただけなのにカゼルタへ着いたら、何もかもが別世界。整理整頓されていて落ち着いていた。別に東京で暮らしていたら普通だけど、ナポリから来たから街の清潔さに感動しちゃった。三ッ星ホテルにしては、個人経営っぽい雰囲気満載のアマデウスは18世紀の建物を改造してるので中庭形式で、朝食は、今は駐車場になってる中庭の別棟へ食べに行く。隣にはオーナーのドラムセットもあって暇なときは訓練してる。夜、微妙にドラムの音が響いてた。イタリア人にとって、絵は家と切っても切れない重要なもの。あらゆる空間に様々な画家の作品が掛かっていて、私にはそれを見るのも楽しみ。

Hotel La Stazione, Napoli

いよいよ最後のホテルは当然ナポリ。何があるか分からないから、絶対出発の前の日には空港がある街へ泊まる。本当はカゼルタへもう一泊してナポリは一泊のつもりだったんだけど、今まで一度も降らなかった雨が、みんなが帰国した途端せきを切ったように降ってあまり動けなかったから、ナポリへ戻って来た。ベネヴェントは次回に。ここでは空港行きのバス停に近い安いホテルを選んだ。ホテル名もそのまま「駅」。ところがホテルって何???カオス状態の人々を掻き分けながらホテルの住所へ行くと、怪しげな建造物の奥へ。一応中庭形式でエレベーターがあったからホッとする。だってB&Bでなくホテルにした理由は、最終日で荷物が重くなってるから階段を持って上がらずに済むように、ってもの。それなのに一階(日本の二階)へは使えないという、鍵付きのエレベーター!え〜っ!て落胆を身体表現したら、南部にはどこにでもいる、1年中同じ場所でぶらぶらしてるおじさんがホテルの人を呼んで来てくれて、彼が運んでくれた。マウリツィオという名前。朝食スペースもないし、ホテルの概念を撃ち壊すところだったけど、マウリツィオのおかげで非常に快適に過ごせた。WiFiの状態を最高に設定し直してくれてスムーズにチェックインも済んだし、窓からは興味深いナポリ生活も見られた。

La Stazione, Napoli

部屋の窓からは新たになったナポリ駅が見える。夜、窓の外から怒号が聞こえたので見ると、アフリカ系の若者たちが大勢走って騒然としている。その内一部始終を見ていた向かいのビルのイタリア人たちの拍手が起こり、黒人青年に老人が肩を叩かれながら鞄を渡されていた。引ったくりにあった白人の夫婦を助けたらしい。私も一緒に拍手喝采した。この道は駅前の結構大きな道にも関わらず裏通りっぽくて、ほとんど白人の姿は無い。一階には売れるのか売れないのかしれないアフリカ系の人たちのお店が並んでいる。国際的大都市ナポリの一面を描いた映画のワンシーンのような場所だった。



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