カンポバッソの山の麓のアパートで自分の家に居るみたいに起きます。アパートのいいところ。知らない人は誰もいないし、台所や、何より幾部屋もあるのがホテルと違う。私はリビングやテラスが好きだから。
9月18日
San Giorgio, Petrella Tifernina
Matrice
美術が好きなら同意してくれる人も多いと思うけど、白黒写真の方が綺麗な場合ってありますよね。映画もそうだけど。だいたい今のやたら詳細な映像で見られさえすればそれでいいって言う考えは、どうかしてる。今だって十分に綺麗なんだから、あとは足りない内容を考えよって!テレビだろうがインスタだろうが、全てにおいてそう思う、常日頃。
で、マトリーチェはカンポバッソから、そう遠くはないんだけど、聖堂は「道の聖母」というだけあって、なーんにもないところにポッツーンと建っています。
Santa Maria della Strada
見所は、自由でおおらかな浅浮き彫り。この辺のロンゴバルド・ロマネスクで、質素な白い石にできる影も美しい。
Petrella Tifernina
マトリーチェの他に、18日に絶対訪問する二つの聖堂があります。一つはペトレッラ・ティフェルニーナ(写真)にある聖ゲオルギウス(ジョルジョ)です。
San Giorgio
このファサードもいい感じですが、何と言ってもここは、この聖堂ほど破天荒はないよって言うぐらい、ロマネスク自由パワーが炸裂した浮き彫り彫刻が見もの。
一体何がどうしたのか謎な場面
イソップ物語を思い出だす動物が可愛いけどキリスト教との関わりは不明
ロンゴバルド人に、ローマ人やギリシャ文化の人々が恐れおののいたのが分かります。洗練された都会の文化人には、考えもつかない野蛮人だった彼らの美術は、まるで子供のお絵かきのようです。こういう美術に触れる度に不思議に思うのは、この人たちは町で一番腕のいい職人だったのだろうか?たまたま下手な人のが残っちゃったのか?でも聖母に捧げられた聖堂は、建築自体はしっかりしているし、幾何学文様部分はそれなりに構図に収まっています。謎は深まるばかりですが、今回はこれらの美術を専門に研究している教授が案内してくれるそうなのでお話が楽しみです。日本では絶対入手不可能な分厚い研究書も下さるそうで、重いけど大切に持って帰ります。
リンクは両方とも説明して下さるヴァレンテ教授のサイト。彼のサイトの表紙にもここの浮き彫りが使われています。
ペトレッラティフェルニーナの目玉は何と言っても先に挙げた浮き彫りですが、フレスコや木彫像などもあります。もひとつおまけにモリーゼには騎士団伝説があり、現在はトリノにある聖骸布や、聖杯伝説も以前はここに隠されていた!ということを主張する人々がいて、最近は観光目当てか県をあげてイベントにもなっています。
Pietracupa
ピエトラクーパもモリーゼに行きたいと思った理由の一つとなった場所。トリップアドヴァイザーは一応参考にするんだけど、いつも満点近い評価の洞穴聖堂があります。
Sant' Antonio Abate
この聖堂が大天使の洞窟と違うのは、下に降りるんじゃなくて登るところ。切り立った岩をくりぬいて作られています。実は結構広くて、これ以外にもいくつも部屋があり、現在も使われています。とにかく今日も登りまくり。東京にいる時とは大違いの運動量!(ピエトラクーパについても以前にもサイトで紹介しているから見てね。写真も違うし)
Campobasso
多分この三つを回って休憩と食事を挟んだら、1日は一杯だから、カンポバッソへ。
19日はいよいよ旅の実質最後の日です。早めに帰ってゆっくり、とかいうのがいいのか、思いっきり夜まで街をぶらつく方がいいかはその時の元気次第で。
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