美術家名や都市などブログ内を検索してね

2018年1月26日金曜日

モリーゼ:磐から生える鐘楼と崖っぷちのお城

モリーゼが紹介できることなんて滅多にないので、イタリア一細い道で栄誉に輝くこの地ですが、まともに景観も素晴らしいです。


Bagnoli del Trigno

どうです?爽快じゃないですか?こっちの側から見ると、お城の崖っぷち感が出ませんが、裏側から見ると、切り立った崖の上にあるのがよく分かります。いい感じなのは、お城だけじゃなく、対になるように右側に突き出した鐘楼も見えます。


右の部分の拡大です。なんだか岩から鐘楼が生えてるように作られています。根元が見えないのでどうなっているのか、近くで確認したいです。下方には聖堂が見えていますが、いったいどっちがファサードなのか、謎は深まります。


こうやって見ると、鐘楼は麓の街に向かっているのでしょう。私はイタリアに住んでいた頃、何度も引っ越したのですが鐘の音が聞こえる場所に住むのが好きでした。鐘の音で時間を確認するのだけれど、やはり街に似合った音というのもあると思います。ここでは鐘が一つだけだし、頭上から響いてくる感じで、共同体の結束が強まったと思われます。イタリアには有名な鐘主義(カンパニリズモ)という言葉がありますが、これは自分が属している地域の鐘の音が聞こえる範囲で物事を考える、というような意味で、強烈な郷土愛を、良くも悪くも表す言葉です。


San Silvestro

鐘楼の麓に見える聖堂、シルヴェストロの正面入り口の浮き彫りです。ロマネスクと古代の意匠が入り混じるような形で、素朴ながらも堂々として素人くさくはありません。



雪が似合いまくっています。聖堂は13世紀のロマネスクですが、地震に見舞われたため修復されています。内部はイタリアらしい梁の天井で、磔刑像などもあります。でも何と言ってもこの聖堂のポイントは、ゆっくり曲がりくねりながら、とにかく登り、最後にやっとたどり着いた時の絶景ではないでしょうか。


Castello Sanfelice

お城へは、全く違った道を登ります。ここは近年力を入れて修復しているようで訪問可能らしいですが、中がどうなっているのか調べきれていません。


旅:モリーゼへ行くならここへは泊まってもいいと思っています。焦って歩くより、ゆっくり歩いて、景色や石畳を楽しみながら、夕日や朝日を見られたら、どれほど気持ちがいいでしょう。観光者なんて出会わないかもしれませんし、街の人にお店を紹介してもらって、人気の居酒屋へ行くのはどうでしょうか。モリーゼのイゼルニア地区には、他にも訪ねたい聖堂が幾つもあるし、モンテカッシーノへ繋がる道順なので。





0 件のコメント:

コメントを投稿