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2019年1月23日水曜日

去年訪問した大天使の洞窟から

2018年にはモリーゼ州を訪れ、イタリア20州を一応すべて踏破しました。モリーゼの情報はあまりにも少なく、イタリア観光局や大使館は言わずもがな全く役に立ちませんでしたので、ネットで調べて研究者と思われる、専門的な知識のありそうな人たちとコンタクトを取り大変お世話になりました。

Sant'Angelo in Grotte


その中の一人、大天使ミカエルの洞窟を管理するグリエルモさんからお写真が送られてきたので観てください。去年の秋、私たちはここを訪れました。もちろんその時は、しっとりした緑色の風景でした。


想像を絶する歓迎を受け、小さな町の市長さんたちや愛郷心に満ちた、歴史や文化を愛する人たちとまみえた事には、感謝の気持ちで一杯です。


旅行代理店を使ってのツアーなら、表面的で部分的な情報(しかも誤っている可能性も少なくない)とバス代で4日借り切ったら一体幾らになるか分からない。昨日、「フェルメール追っかけツアー・ニューヨーク+ヨーロッパ、168万円〜」という宣伝が来ました。びっくりです。フェルメールよりも素晴らしい画家は世の中に幾らでもいるし、どの町もある程度じっくり観なければきっと忘れてしまうでしょう。


私たちが入った洞窟の入り口だけは、雪かきがされているようです。


小さな町のメインストリートは雪で埋もれています。イエスの誕生を知らせた星が一つ。不恰好なところが、また愛らしい。あそこを歩いた記憶がくっきりと輪郭を持って浮かび上がる。それは観光バスと飛行機の飛び回りツアーでは絶対にありえない事だと思います。

2019年の旅は北イタリアで、既に知人が多いし、モリーゼと違ってずっと拓けた場所だから、人々との関わりも当然違って来るでしょう。どうなることやら。楽しみにしてね🌟

2019年1月21日月曜日

2019年イタリア美術の旅:トスカーナの日程

ロンバルディーア組が19日に出発した翌日、20日(金)から後のトスカーナの旅を始めよう。ということはヴォルトサントの祭典は終わっているので、何が何でもルッカに行かなきゃいけないわけではないね。でもまあ、私の授業では散々紹介されているので、行ってみたい人も多いと思うし、最終日にルッカ入れました。

9月20日(金)
マルペンサ空港に迎えに行きます。
ミラノ

21日(土)
朝出発 ピストイアもしくはプラートへ(2時間半〜)
みんなが行きたい方どっちかにします。
プラートかピストイア泊

写真はほんの一部 Filippo Lippi, Cattedrale, Prato

22日(日)モンテカティーニテルメへ(11~20分)
特別な温泉地モンテカティーニはちょと前に書いた(1月14日のブログ)から見て。
モンテカティーニテルメ泊

中世音楽の祭典時 Pistoia

23日(月)ピサへ(1時間半)「奇跡の広場」博物館
ピサ泊

 ゴージャスで厳格な Battistero Pisa 

24日(火)観光客を避けて通な町巡り
ピサ泊

彫刻家の父と言いたい Pisano, Pisa

25日(水)ルッカへ 木の生えた塔に登り、マンシ館と博物館巡り。
ルッカ泊

大天使ミカエルのトボけた後ろ姿 Lucca

26日(木)博物館、聖堂、宮殿、町巡り。
プッチーニ好きの人はトーレ・デル・ラーゴへ行ってもいい。
ルッカ泊

成金マンシ家のゴブラン織り Palazzo Mansi, Lucca

27日(金)フィレンツェへ(1時間15分)
フィレンツェもみんなの行きたいところを聞いて場所を選びます。私自身は何が何でも司教座聖堂付属美術館へ行きますが。みんなが他のところへ行きたいなら連れて行く。要するにミラノへ帰るのにフィレンツェで乗り換えないといけないから、ここまで私がついて行く。フィレンツェ駅でお見送りします。電車に乗ってしまえば1時間40分でミラノ駅に着き、駅前の宿をとるから翌日空港へ向かってください。そのくらい自力で頑張れ〜。みんな一緒だしね。
ミラノ泊

Museo dell'opera del Duomo, Firenze

28日(土)
ミラノ発 ちゃあおチャオイタリア〜

*繰り返すけど、内容は変更可能。ただ月曜日はピサに居たい。日程はこんなで飛行機取って欲しい。参加者の皆様、ロンバルディーアにするかトスカーナにするかよく考えて。

連絡は:romanici@gmail.com(ラインは知ってる人とだけ)

2019年イタリアの旅:ロンバルディーアかトスカーナか

旅について、誤解があるようだからよく読んでください。
お願い👻

まだ内容は決定していない。とにかく飛行機が取れるように日程だけ出したの。

今まで連絡取り合ってロンバルディーアを先に持ってくることにしました。
なのでみんなロンバルディーアで良ければ、一緒に行くけど、トスカーナへ行きたい人は後半になる。飛行機は一人で旅慣れてる人なら好きにしてくれればいいけど、一人で行動できない人は絶対数人で移動して欲しいから、一人でチケット買わないで。

Bobbio

で、旅の参加が決まった人はラインでグループ作るからそこでやり取りしましょう。
(朝7時半以前には緊急でもない限りやめて。夜は良いよ。お願い)

💟旅の確認💟

1)飛行機は自分でとる(ネットの方が安いけど話したい人は代理店へ)
2)宿+移動+通訳+旅行計画=15万円
3)10−11日(全日数。フライトによってプラス1日になることもある)分です。

【注意】夕食、入館料は各自(飲みたい人は飲み、食べたくない人は食べない。博物館や聖堂も別行動したければ可能、という理由です)支払い。
それと絶対守って欲しい事。手荷物(機内持ち込みできる大きさ)のみ。空港でカバンを待たなくて良いように、旅先で楽に移動できるように、車に乗れるように、とにかく一人でも約束破る人がいるとみんなに迷惑かかるから、気をつけて。全然楽勝だからさ。

Pavia

2019年9月10日 出発
12:15 成田発 モスクワ経由 22:40 ミラノ着

9月19日 ミラノ発成田へ(ここではみんなで合わせた飛行機にしてね)
私は見送りです。

2019年イタリアの旅:ロンバルディーアの都市

日にちは決定だけど、都市内容は多少変更出る可能性あり。


9月10日(火) 22:40 ミラノ着 
ミラノ泊

11日(水) モンツァへ(16分)宿へ荷物を置いて、王宮へ。
http://www.villarealedimonza.it/

Villa Reale, Monza

なんかこんなイベントも行われたり、現代美術の展覧会もやっています。だいたいかなり昔からモンツァは進んだ雰囲気の街で、ヨーロッパにあって保守的な南欧の中で、やはり北方らしいと思っています。

Villa Reale,Monza

モンツァ駅からタクシーで2分。写真の奥(上)がモンツァの街。写真は裏から見ているところです。見学は1時間程なので、王宮内のカフェで簡単昼食。素晴らしい王宮の並木道なので腹ごなしに歩いても良いと思うけど、とにかく中心地へ。街のど真ん中へ大聖堂があります。こんな風にゴージャスに王宮から初日が始まって、モンツァ泊。

12日(木) 午前中はモンツァ。
昼の休憩時間に(足を伸ばしてベルガモって手もあるけど)パヴィーアへ(1時間弱)
イタリア王が戴冠したランゴバルド王国の首都を見学。
パヴィーア泊

13日(金) パヴィーア見学 夕刻遅くピアチェンツァへ(1時間半)
ピアチェンツァ泊

14日(土) ピアチェンツァ見学
ピアチェンツァ泊

15日(日)朝一でボッビオへ(44分)ボッビオの博物館は土日しか開いてない。
ボッビオ泊

16日(月)ボッビオで巡礼者の橋を渡って食事へ行ったりお散歩。遅くに移動。
ヴィジェーヴァノ泊

17日(火)ヴィジェーヴァノ見学
ヴィジェーヴァノ泊

18日(水)ミラーノへ(33分)ミラノ見学、お買い物など自由。
ミラーノ泊

19日(木)ミラノ発 チャオチャオ〜!

って感じでいかがでしょうか。問題は土日しか開いてないボッビオの博物館と月曜日は閉まりまくるのでそれをどうするかってとこ。もしかしたらモンツァは最後に持ってきて、1日づつ繰り上げになったり、パヴィーアで2泊できないかとか調整しますが、飛行機はこんな感じでとればいいと思います。

Bobbio

2019年1月20日日曜日

2019年イタリア美術の旅: ロンバルディーア

私は約一ヶ月イタリアにいるので、その間に二つの旅ができるかもしれません。

トスカーナを提案したので、もう一つはロンバルディーアです。

San Lorenzo, Milano

ミラノが今年の出入り地なので中南部はあり得ません。初日はミラーノへ夜着くので一泊します。ミラーノへ、もし行ったことがない人がいたら、屋根に登る時間がなくても、やはり一度はドゥオーモを見るべきだし、もし時間があれば聖アンブロージョや聖ロレンツォのような特別な聖堂もあるし、ブレラ始め博物館も目白押し、何度ツアーで行ったって見てないところは幾らでもあるはずです。ブレラだけでも三日は欲しいほどです。

Monza

でもとにかくミラーノは自分で行けるからいいという人が多いと思うので、他都市を紹介します。まずものすごくお勧めなのがモンツァ。私はまだ留学生の頃に行ったのですが、ツアーなんかでは全然知られてない所にこんなに素晴らしい物があるんだ、と驚嘆したのがモンツァでした。しかもまだ下手くそなイタリア語だったにも関わらず、一般公開されていないところを鍵を開けてガンガン見せてくれたので、聖書にあるように、イタリアは志ある者には扉が開かれる国だということを実感したのもここでした。

Tesoro del Duomo, Monza

最大の見所は間違いなく大聖堂宝物館です。ここにはなんと7世紀から11世紀という、極めて希少価値の高い時代の、極上の作品が揃っています。「あ、これもここにあったのかっ!」と、イタリアの西洋美術史の本に載っている物が幾つもあって感動しました。


もちろん司教座聖堂も実に見事です。その華やかなファサードはイタリアのゴシック聖堂とはこういうものだと宣言しているようです。アルプス以北の威厳のある、暗く重々しいゴシック聖堂とは打って変わって、明るくキラキラしています。

museo Autodromo

時間がなくて行ってないのですが、車好きの人に有名な博物館もあります。ここはF1の開催地なので車目当ての人で賑わうこともあります。

ま、とにかくモンツァはミラノからあっという間の距離にある上、内容は素晴らしく、街も大変きれいでショッピングにも適していますから最初か最後にぜひ入れたいです。実はここで買ったセーターがあまりに気に入っていて何世紀も捨てないでいます。流行と関係ないデザインなんだけど、いくらなんでも古いから捨てようかと思いながら好きすぎて捨てられない。モンツァのブティックの思い出です。

Vigevano

次に提案したいのがヴィジェーヴァノです。内緒だけど私はまだ行ってません!私が行ってないのは変なほど、そのルネサンス広場と中世の城は有名です。今更だけど、私の有名はテレビとか旅行代理店とかとは違います。西洋美術好きにはってこと。お間違えのないように。城壁の跡と屋敷の中庭の左に、縦長の広場が見えるでしょ。名高い美しい広場はそこ。

Vigevano

ね、素敵でしょ?当然のごとく、このでき過ぎた広場で歴史衣装に身を包んだ行列をやります。以前、イタリア学会の石坂先生(同志社大学でルネサンス研究をされて、去年退職されました)からこの葉書をいただき、行きたいなーと思って以来、機会がなくて行けてないので今度こそと思っています。

ヴィジェーヴァノはパヴィーアと近いのでパヴィーア再訪も大歓迎です。パヴィーアはミラノ公の壮大過ぎるお墓が有名ですが、街の方。ここは何と言ってもイタリア王が戴冠した街で、ランゴバルド人の首都でした。

Pavia

もしくは数年前一日違いで入れなかったボッビオの博物館へも行ってみたいです。ボッビオへはピアチェンツェからのんびりバスを乗り継いで行ったのですがパヴィーアからもいけると思うし、ピアチェンツェから行ってもいい。その時は当然ピアチェンツァに2泊はしないとね。

Bobbio

ボッビオは西洋修道制の父の一人、アイルランド人修道士聖コロンバンが612年に開いた修道院。ヨーロッパ中に影響を与えた大図書館があった。キリスト教史を勉強する者にも、本を愛する者にも夢のような憧れの地。今は完全な避暑地でヨーロッパ人には夏に人気がある。この前行った時には、一足違いで夏が終わって博物館が閉まっちゃって、修道士も遠方から来るから、いくら頼み込んでも間に合わなかった。でも友人と二人でめちゃくちゃガーリーな部屋に泊まって、素晴らしい空気を堪能しました。この小さなガーリーな宿のオーナーとはロックで気があったので(ホテルにローリングストーンズの巨大な看板がある)一軒丸ごと借りたら楽しいと思う。

Piacenza

ピアチェンツァは見るとこあり過ぎ。中世の映画の舞台のような、市庁舎を囲んだ、中世ファンなら行かずにはおれない広場があって、ロマネスク聖堂が幾つもあって、やたら広大な博物館もあるし・・・カフェもおしゃれ。

Villa reale, Monza

わー、もう行きた過ぎる!!何度行っても好きなので、行きたいとこだらけ!!!!みんな!行きたいとこ考えてる?最終的には参加者の意見を総合的に判断して、私が決めるけどさ。

2019年イタリア美術の旅:ピサ

Pisa! ピーサ!

「奇跡の広場」という名からも分かるように中世ヨーロッパで最初に最も輝いた街ピサ。

Torre pendente, Pisa 

ツアーでは広場だけ、しかも斜塔のアホらしい写真を撮って通り過ぎるのではあまりに勿体無い。本当は一週間ピサだけに留まって周辺地域と博物館と全ての聖堂を見尽くしたい。そんなピサをちょこっと紹介。

Piazza del miracolo

奇跡の広場は、キリスト教徒の一生を象徴的に表しています。生まれて「洗礼堂」、様々な宗教儀式、毎日曜日のミサは「司教座聖堂」、都市国家ピサの誇りである「塔」で全員集合。最後に「聖なる野」要するにお墓に埋葬され、故人の煉獄時期を短縮するためにも、みんなで祈りを捧げます。

Campo Santo, Pisa

ピサはこの奇跡の広場だけでも十分に1日かかるだけ見がいがあります。このところ長く大修復に入っていたピサですが、ほぼ町中の修復が終わりそうです。最も重要な大聖堂クーポラ(ドーム)も完成しました。傾きが世界中で話題になる斜塔も元気です。


イタリアを旅する時、最も気をつけなくてはならないのは修復中かどうか。折角長年夢見て、やっと辿り着いて見たら、修復のビニールに覆われていたなんて、悲しくてやってられないでしょ。


特に「カンポサント=聖野」の巨大なフレスコの修復が終了したことは、中世美術愛好家にとっては見逃せない。私はルッカからすぐということもあり、美術史的にも非常に深い関係にあるピサには何度も行った事がありますが、このカンポサントのフレスコがもっとはっきり見えたらどんなに良いだろうに、といつも思っていました。


またいつも思うのですが、風景が及ぼす影響は非常に大きく、街が丘の上にあるとか、川が流れているとかいったことは、街をより魅力的にする決定的な要素です。そういった意味で海沿いのプーリアの街は実際の建築物以上に素晴らしい印象を与えます。ピサやルッカはトスカーナの内陸でしかも平地なので、南イタリアの海岸沿いの街のような白黒はっきりしたような派手さはありません。トスカーナの多くの街は、穏やかで落ち着いた雰囲気を醸し出していて、フィレンツェのように観光の嵐に晒されなければ、本当にのどかな印象です。

Santa maria della Spina,Pisa

ピサ中央駅から有名な「奇跡の広場」へ行くには川を渡ります。バスに乗ってしまうと、この珠玉の小さな聖堂「聖荊(イバラ)」聖堂は通り過ぎてしまいます。本当に小さな聖堂ですが、これはイエスの茨の冠の荊の聖遺物容器なのだから小さくて当然なのでした。本当に小さいくせに完全な美しいゴシック様式の装飾は流石です。

San Sepolcro, Pisa

この印象的な形状の「聖墳墓」聖堂は、エルサレムのイエスのお墓を意味する聖堂で、十字軍時代の騎士団によるものですが、悲しいかな街のど真ん中にあり、地面が今では低くなってしまっていることなど相まって、酷い荒れようでした。それこそ何十年も前、私は留学時代からここが気になっていて何度も訪ねたのですが、泣きたくなるような状態で放置されていたのに綺麗になりました!私には人ごととは思えないほど嬉しい出来事です。文化財、街や公共の場所を汚す人々は、心底教養のない人々です。教養というのはテストで良い点が取れるとかそういうことでは無く、公共の精神を持てる事だと思うのです。

Museo nazionale di San Matteo, Pisa

ピサは中世の早い段階から繁栄し、ガリレオはじめ大勢の知識人たちが滞在した大学の街としても知られています。そのため様々な博物館がありますが、個人的には圧倒的に聖マタイ修道院を改造した国立博物館が好きです。というか愛しています💕私が最も愛する木彫像や磔刑像が沢山あり、ドナテッロの素晴らしい作品もここにあります。

Donatello

中世貨幣の収集は世界一を誇るのですが、長い間見ることができないでいます。私はかつて見せてもらったのですが、今はどうなのでしょう?9月までには時間があるので交渉するつもりです。その時にルッカがいかに先進地域だったかを痛感したのを、今でもはっきりと覚えています。中世初期に残っている貨幣って、世界中にほとんどないんです。

一般旅行客には完全に無視されている場所も大好きです。何しろルッカのヴォルト・サントがピサにもいるのですが、それがなかなかいい感じの巨大木彫で誰もいない聖堂で一人、写真を撮りまくりました。中世史家の間ではなかなかの人気なんですよ。

Piazza Cavalieri, Pisa

ピサではほとんどの人が奇跡の広場に集中しているので、他のところへ行くと一気に地元民のようになります。大好きな「騎士広場」は、今は中学校などになっていますが、元は美術史の父ジョルジョ・ヴァザーリがデザインした館と聖堂が美しい素敵な場所。初めて訪れた時には「これが中学なんてなんて素晴らしいんだろう。私の学校とどれだけ差があるだろう」と、つくづくため息をつきました。先に書いたヴォルト・サントのある聖堂も近くなのでよくこの辺で休みます。バールもいきなり観光客が減って、時間が止まったような感じです。

San Paolo a Ripa,Pisa

驚くほどルッカの聖堂とそっくりなのがリーパの聖パオロ聖堂です。この他の中世のロマネスク聖堂たちは、ひたすら司教座聖堂にお客を取られて置き去りにされてきましたが、少しづつ修復しているようです。見学できることを微かに期待しています。

Mura di Pisa

ヨーロッパの都市にはよく植物園もあるのですが、特に科学で名を成したピサ大学ですから広場(公園)があちこちにあり、空間に余裕があります。中世には全て囲まれていたピサの市壁の上を歩く人々です。ルッカと比較すると笑っちゃうくらい狭いですが、逆に壁って感じはしますよね。ぜひお散歩したいです。

航空券も買って本気でやる気になったので、行く人は早く連絡ちょうだい。そうしないと航空券が心配だから。旅は航空券は自分で買ってもらう。その他は向こうに一週間全部で10日で15万円くらいです。夕食、入館料などは別。

連絡:romanici@gmail.com


2019年1月14日月曜日

今年のイタリア美術の旅は北イタリア:ルッカとその周辺

ルッカ市のお客様をお迎えしたり、もともと自分の論文がトスカーナだったり、去年はナポリで南を満喫したり、ミラノの友達がずっと来い来い言ってるし、北イタリアへ行きたいって人が多いし、で、今年は北イタリアへ行くことにしました。カラーブリアかなーってのは、大嘘になりました。

詳細はこれからで参加者と相談するけど、その前に一週間の旅では毎晩移動でちょこっとみるとかは嫌いなので、ルッカ周辺地域とヴィチェンツァ周辺の二手に分けようかな。

ルッカ周辺はこんな感じ

Anfiteatro,Lucca

ルッカは何と言っても9月14日が一年で一番大切なヴォルトサントの光の祭典なので、いつ行くかで内容が変わる。この宗教行事にはなんども連れて行ってるんだけど、毎年時間や出し物が多少変わるし、一度失敗してるので、行きたい人がいれば14日のあたり、要するに旅の最初にルッカとその周辺を持ってくる。

San Michele in Foro, Lucca

この写真の聖ミケーレは街のど真ん中で、最も派手なロマネスク様式だし、きちんと説明していないので必ずご訪問。

Museo della tortura, Lucca

ルッカは博物館が目白押し!例えば当然すぐ近くのフィレンツェには世界的な大博物館があるけれど、ルッカには一風変わった博物館がたくさんある。ヨーロッパ一の漫画博物館(私は全然嬉しくない)とか実にわかりやすい説明つきの恐るべき拷問博物館とか、それよりもっと怖い近代の手術道具博物館を備えた館とか、なによりオペラの帝王プッチーニの街なので彼の博物館とか、10個以上ある。

Fra Bartolomeo,Lucca

言わずと知れた国立絵画館、司教座博物館、幽霊が出るので有名な植物園に絵画館、近隣地域民族博物館、歴史資料館、古代ローマ考古学博物館・・・う〜ん、なんてすごいんだろう。わが町国立市と姉妹都市になって良いんだろうか???

Montecatini terme

で、ルッカにはじっくり3泊。中世規模の城壁に囲まれた街中に、とても見切れない聖堂と博物館に疲れたら、ちょっとリラックスしに豪華な温泉地へ行きましょう。温泉地といったって、日本の誰でもゆったりのんびりできる親しみやすいものではなく、有産階級の湯治場で名を成した特別な場所。モンテカティーニテルメはポアロとかがローブをまとって出てきそうな感じ。今は勿論ずっと庶民化してるとはいえ、大衆的な場所ではないね。以前行った時は、気楽な格好で、目立って若かったのでちょっと失敗したと思いました。シニョーラ向き❤️

Montecatini

で、モンテカティーニは温泉リゾート地の丘の上に小さな可愛い街があって、そこへはまたまた可愛い写真の乗り物で上がってゆきます。以前は下の温泉地に泊まったんだけど、今度は上のち〜さな街に泊まりたい。

Montecatini alto

すごく小さいけれど、ちゃーんと劇場、言うに及ばず聖堂があって、中央広場にはレストランが並び、別世界を醸し出しています。空気は澄んでものすごく気持ちがいいし、写真の劇場でライブを見たら夜中まで中央広場でゆったりしたらどうでしょう。だって宿は目の前だから。

Montecatini alto

1日モンテカティーニアルトに泊まり、もしみんながエステとか行きたかったら下の温泉地ホテルにも一泊して(一泊すると5千円から1万円分のエステ券が付いてくる)、いろんな温泉の水を飲んだりお店を見たりして、プラートかピストイアへ二泊。

cettedrale, Prato

プラートは今ではイタリア最大の中国人人口を誇ることになっていて、その点はなんともいえないものがあります。なぜかっていうと中世から織物の町で有名で、それが現在のイタリアファッション界の裏に中国人ありってことで、こうなったの。でもフリードリッヒ二世の城やフィリッポ・リッピの町でもあり、初期中世最大の商人の町の一つ。

San Paolino, Lucca

Pistoia

トスカーナには珠玉のこじんまりした街がたくさんあるんだけど、ピストイアもその一つ。広場の真ん中にポツンと塔が立っていて、フィレンツェやヴォルテッラに似た8角形の洗礼堂がありいかにもトスカーナの街です。以前私が訪ねた時なんか、だ〜れも旅行者が居なくて、博物館は一人で見放題でした。

San Frediano, Lucca

どっちにしろルッカからみんな近いから、アリタリアでミラーノへ飛ぶか、乗り換えでフィレンツェかピサへ降りて行きましょう。それぞれの街への移動時間はあっという間。チャーターバスなど必要なし。移動に時間取られないから、ゆっくり街を堪能できます。

Torre di Guinigi, Lucca

そーだなー、もしみんながピサに行きたいっていうならピストイアかプラートを削ってピサへ行こう。ピサは中世最大の街だったんだから絶対泊まらないと見られない。考えといてね。