私は大学卒業後数年間デザイナーをしていました。その時に、よくイメージ広告で使うための写真集を見ましたが、これはまさにそんな写真です。誰もが見て穏やかな気持ちになるような、主張しない美しい風景、カンポバッソです。ゴッホやモネが愛した南フランスの積み藁とはまとめ方が違います。
今、私の部屋の外も雪がちらついていますが、カンポバッソにも積もっているようです。古代からある街で、多少遺跡や伝説も残りますが、印象的なのはこの中世の要塞の麓に広がった街です。要塞は封建領主が街を睨みつける印です。領主の城のすぐ下には街で一番重要な聖堂が見えます。
海抜790メートルにあるモンフォルテ城は、2012年には「芸術のイタリア記念硬貨」の5ユーロに選ばれました。モンフォルテ公はナポリ男爵も兼ねていましたが、後にお芝居にでもなりそうな反乱や裏切りがあって失墜したのです。
城は「十字架の道行」の終着地です。十字架の道行きは、救世主イエスが磔刑にかかるまでに受けた受難を表現したものですが、カンポバッソでは写真にあるように、街の人々が、ペテロやマリアに扮して実演して行います。主イエスはどうやって人選するのでしょう?今度行ったら、ぜひ質問してみたいです。以外にイエス本人に会えるかもしれません!小さな街ですから。
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