「イタリア歴史と美術の旅2018」秋に向けての旅をどこにするか話し合うため、旅先の紹介をアップして行きます。
Puglia(プッリャ、プーリア、プーリャ)州の首都はBari(バーリ)です。
が文化的に4つの地域に分けられます。北から
1)Foggia(フォッジャ)を中心としたガルガーノ地区。
2)Bari文化圏
3)Brindisi(ブリンディシ)とTaranto(ターラント)
4)Lecce(レッチェ)とサレント地区
イタリアのブーツの踵にあたる、アドリア海に面した、気候的には最高かと思える素晴らしい地域です。一世を風靡した映画「グラン・ブルー」の撮影も、一部プーリャの海で行われました。個人的にも強烈な思い出がいくつもありますが、もしプーリャに行くならこの州だけにしますし、それでも一週間では全く一部しか見られませんので、この4つの地域で1つか二つにします。
歴史に興味があれば、絶対に「ノルマン王国」について読んでから行くべき場所で、最後の花、フリードリッヒ二世も良いですが、個人的には初めてノルマンコンカー(結局彼等はイギリスを征服した)の初期の人物たちに因んだ、大天使ミカエルの洞窟やノルマンロマネスクの建造物が大好きです。時機がピッタリのサンタクロース(聖ニコラ)はバーリに眠っています。街としてはバーリとレッチェがかなりの規模で、古代ローマ遺跡から現代のファッション街まで、ひったくりも多いですが活気があります。フリードリッヒといえば、世界遺産登録されている建造物の中でも最も個性的な一つに違いない Castel del Monte(カステル・デル・モンテ=山の城)がフォッジャとバーリの間にあります。印象的なのは、海に突き出るような場所に屹立する大聖堂です。風景とロマネスクの石が響きあい、実に感動的です。内陸には、背は低いけれど、バロックとは違った中世の装飾で溢れた大聖堂もあります。
古代ローマ街道の終点で地中海へ抜ける世界の港ブリンディシも、その向こうにギリシャがあると想像すると壮大な数千年の歴史が浮かびますし、dolmenと言うヨーロッパに残る原始時代の巨石文明も、あちこちに散らばっています。
食という意味では、イタリアの食材の実に半分以上がプーリャで取られるというデータがあり、特にオリーブ、トマトなど輸出向けに、トスカーナの表示が貼られて売られたりすると、専門家から聞いたことがあります。ワインはほとんどが当地で飲まれる(寝かせない)ため、あまり輸出はされません。要するに食材のほとんどが大変新鮮だということです。長く居ると季節労働者(畑の作業)の姿が目につきます。
アドリア海側は日本人観光者が非常に少なく、一度などは日本を知らない人に出会い、説明に苦労しましたが、結局そのおじいさんは中国を想像するのがやっとでした。なんと最初は私を、南イタリアの他の街の人間と思ったくらいのローカルさです。「君は他所者(よそもの)だろう?」と得意げに言う。「分かるよ。話し方が違うから。」そーですか、すみません。この地域の方言は一言も知りません。「隣町(村)かな?それとももっと遠く?」と彼は言い出し、初めてイタリア人以外だとさえ思っていないのが理解できました。それ程地域の人としかコミュニケーションがなかったのでしょう。地球の裏側から来たと知ると、街の要人に紹介してくれ、発掘(ノルマン王朝のお墓を暴いていた)調査を説明付きで見せてもらえました。彼はまだ元気でしょうか。きっとモルフェッタ天国です。
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