昨日、首都大学東京オープンユニヴァーシティの今期の授業が終わりました。
受講者は年齢も幅広く、女性に負けず男性も多く、知的な関心の高い人たちで、拍手を持って終えることができ感謝します。
今回のテーマは上野のティツィアーノ展に合わせて「ヴェネチィア美術」を中心に話しました。基本的に一回一人ですが、関連のある大芸術家、特に重要な歴史的背景、美術様式にも触れるようにしながら、ほとんど知られていないにもかかわらず素晴らしい画家を紹介したい(いつもだけど)という願いで選びました。
ヴェネツィア美術の流れとして
ベッリーニ工房に始まりジョルジォーネを通ってティツィアーノに至る。
んだけどそこに
最高の技量を持ちながら貧しさの中で大量の作品を残したロレンツォ・ロット
現代の漫画世代にはむしろ馴染みやすいようなカルロ・クリヴェッリ
ミケランジェロに愛され、逆鱗に触れたが故に(日本では)ほとんど無名のセバスティアーノ・デル・ピオンボを取り上げました。
特別授業として私の研究に即してアミーコ・アスペルティーニ(彼だけはヴェネツィア人ではない)も追加。
みんな知らない画家ばかりだけど、非常に面白かったといってくれました。驚くべき興味深い内容の作品も多いのに、一般には全くといっていいほど紹介されることがないので今後もそういう人を紹介していきたいです。ルノアールとかじゃなく・・・
映像は、宗教改革とミケランジェロ対ラファエッロの大戦争の只中に投げ出されたセバスティアーノの作品。何度見ても美しく平面とは思えない空気と空間表現に感動します。彫刻された絵画と言いたくなる、モニュメンタリティーに溢れた彼の作風。
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